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「春との旅」



2010 ,5 月, 31 By: admin Category: ALL ABOUT FILMS, BGAsbacknumber, allitem

「シスタースマイル ドミニクの歌」


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 今年のフランス映画祭でセシル・ドゥ・フランスにお目にかかったとき、ちょっと驚いた。なんというか、女優オーラをヒリヒリと放っているというか、控えめな態度のなかに堂々たる自信を感じたのだ。そんな彼女が、激動の人生を送った実在の修道女を演じるというのだから、見ておかないと。

 1960年代のベルギー。小さなパン屋で育った自由奔放なジャニーヌ・デッケルスは、保守的な母親とソリが合わず、家族内の確執は深まるばかりだった。そんなある日、ジャニーヌは両親の反対を押し切り、修道院へ入ることに。そこから、謎の歌う尼さん“シスター・スマイル”による世紀の大ヒット曲「ドミニク」は生まれたのである。

 「ド~ミニク、ニク、ニク♪」という一度聞いたら何度も口ずさんでしまうような曲。私はこの映画でこの曲を知ったのだが、どうやらエルビス・プレスリーやビートルズを超える売り上げ記録した、伝説的な曲らしい。歌っているのが謎のシスターというのも流行に拍車をかけたのだろうけど、キャッチーなその歌声は確かに耳に残るのだ。万人に愛された歌。だけど、彼女の人生はそれとは裏腹に急下降していく。

 ふと、「サガン」を思い出した。ジャニーヌにも、そういう刹那的な部分があったのだろう。気性が激しく、自分勝手で、子供のままずっと大人になれない。だけど、誰よりも正直で勇気があった。それでも何か邪魔なものが自分の前に立ちはだかると、真っ向から戦うか、逃げるかしかできない。とても不器用な人なのだと思う。彼女が多くの人から共感を得るのは難しいだろう。だけど、彼女の生きた抑圧的な時代背景が何よりも母親からの愛情の欠如が、ジャニーヌをジャニーヌたらしめた。でも、どんな状況でも前に進もうともがくジャニーヌがいかにビッチであっても、私は応援したいと思うのだ。たぶん、何十回でも絶交しながら。

 映画は実際のジャニーヌの歴史に、少し彩りを加えている。そうでもしないとすごく悲しいお話になってしまうし、ファニーな彼女に勇気づけられた人だって報われない。実際のジャニーヌを知らないけど、きっとセシル・ドゥ・フランスが体当たりで演じたように、イタいほど真っ直ぐで生命力に溢れた人だったのだろうと思う。そして彼女を支え続けたアニーの芯の強さにも、触れておかねばいけないだろう。



この作品のBGA評価は3.5点




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