「SR サイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム」
ラッパーを目指す埼玉(大宮ではない)の若者の苦悩と奮闘を描いた前作の「SR サイタマノラッパー」。予想外のスマッシュヒットを記録し、この短期間でまさかの続編が登場! そして今回の舞台は群馬(高崎ではない)。しかも女子ラッパー。マグン出身のBGAとしては、見過ごせない作品なわけです。地元作品なのでひいき目だけどあしからず。
高校時代はユニットを組むほどヒップホップに夢中だったアユムも、今では家業のこんにゃく工場を手伝いながら、鬱屈とした日々を過ごしていた。しかし、5年ぶりに東京から戻ってきたかつてのラッパー仲間ミッツーらと再会したアユムは、何とか一夜限りのライブを実現させようとするのだった。
前回で“田舎でラップ”というビッグ・ワンアイデアを消費してしまったので、本作はそれだけで観客をうならせることはできない。だからその構造はそのままに、舞台を群馬に移し、女を主人公にしている。これは実に気の利いた続編アイデアだと思う。イケメン・美人が一切出てこない、だけどちょくちょく笑わせてくれるエンタメ性に富んだ低予算な作品。そんな作品が国内外で高評価され、多くのインディペンデント・フィルムメイカーに夢を与えているではないか。だから、映画の存在自体が稀有だ。悪い言い方になるかもしれないが、非常に運のいい作品なのだ。この勢いで栃木もいって欲しいし(なぜか海なし県w)、はては北関東を飛び出して、美少女図鑑のように東京以外46道府県までいってほしい。気持ち的には。それくらいにこのシリーズを応援したい。応援したくなるようなこの雰囲気のおかげで、かなり得をしている映画だと思う。
ストーリーは王道だけど、現実的な問題に追い詰められる“普通の人々”の切実さは、コミカルながらも真摯に伝わってきて好感が持てた。「川の底からこんにちは」にも共通することだけど、ラップをモチーフにしながら、映画は大したことない人々の大したことない人々による大したことない人々のための人間賛歌なのだ。ぬるい成功がないのがリアルでいい。
ただ、地元民の観点からすると、出演者の標準弁が気になった。群馬、それもあそこまでの田舎となると、かなりアクセントの強い群馬弁となるはず。あと技術的なことだが、ラップの命の源であるライムが良く聞こえない。引きの画が多いせいか、マイクの雑音が気になる。耳の遠い私は前回も思ったのだが、ラップに字幕がほしかった…。(イギリス訛りが強いケン・ローチの映画のように)
しかし彼女たちのラップ、これまたつい口ずさんでしまう! ラップで戦う女子、かっこ悪いワケがないです。
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