「クレイジー・ハート」
第82回アカデミー賞で自身初のオスカー像を獲得した名優ジェフ・ブリッジスは、小奇麗な紳士にもなれれば、小汚いカントリーシンガーにもなれるからすごい。共演のマギー・ギレンホールも、いわゆる美人じゃないけどとても魅力的。コリン・ファレルとロバート・デュバルの声も、想像以上にかっこいい。とにかくキャストが渋いのだ。
酒に溺れた元人気カントリー・ミュージシャンのバッド・ブレイク。彼は地方巡業中に出会った女性ジャーナリストに見出され、恋をし、音楽を通して再起していく。ゆっくりと。
ミッキー・ロークの「レスラー」のカントリー・ミュージック版のような感じで、落ちぶれた男の再生を描く。テイストは「レスラー」よりかなり爽やか。ジェフ・ブリッジスのだらしないビール腹や、酒に飲まれてしまうさまは、近所にいそうなダメオヤジという感じで、なんだか親近感がわく。バブル時代を謳歌した見栄っ張りの中年が、昔の感覚のまま浪費し破産していくような、現代日本でもありそうなお話である。
なにより、一番の収穫はカントリー・ミュージックだった。はじめはまるで興味なかったのだけど、聞くとかなりかっこいいじゃないか! しかもジェフ・ブリッジスとコリン・ファレル、かなり修行を積んだようでプロ顔負けの演奏と歌声を披露している。全編を彩る音楽がとても心地よい。なるほど、「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道」のT=ボーン・バーネットが音楽を手がけている。
古き良きアメリカっていうと、後ろにカントリーが流れているイメージがある。それはかなり古典的かw
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